『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』から学ぶ、仕事の「しんどい」をラクにする方法

書評

どうもアッキです。

今回は、『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』という本の紹介をしたいと思います。

こんな人にオススメ

・忘れ物やミスが多い人

・仕事や課題を先延ばしにしてしまう人

・職場での人間関係がつらい人

・整理整頓が苦手な人

・「自分は要領が悪い」と思い込んでいる人

著者の紹介

この本は、小鳥遊さん(@nasiken)と、F太さん(@fta7)の共著で書かれています。

小鳥遊さんは、会社員として働く傍ら、タスク管理に関する情報発信や個人向けのタスク管理サポートを行なっています。

F太さんはTwitterを中心に活動しており、フォロワー数はなんと約37万人を誇っています。

お二人とも非常に活躍されていますが、ここまでの道のりはしくじりや挫折で、とても険しいものだったそうです。

小鳥遊さんは発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。

仕事の抜け漏れや要領の悪さから自分を責めてしまったことで抑うつや適応障害になり、休職や退職を繰り返したそうです。

その後、仕事の管理を自作Excelツールで工夫しADHDの特徴をカバーすることができ、現在の活動に繋がっています。

F太さんは就活から逃げ公認会計士試験の勉強を2年ほど続けましたが、結局不合格。

コールセンターのアルバイトを始めるも、3ヶ月でクビになったそうです。

その後、ダメな自分がかけてほしい言葉や、めんどくさいながらも何とか行動するための方法などをTwitterで呟き続けていたところフォロワーが急増。Twitterで独立するに至ったとのことです。

そんなお二人の書かれた本なので、とにかく説得力とノウハウの試しやすさがスゴいです。

本の概要

この本は、以下の項目で構成されています。

CHAPTER1:要領がよくないと思い込んでいる人へ 仕事の基本

CHAPTER2:段取りが苦手

CHAPTER3:優先順位がつけられない

CHAPTER4:先送りしてしまう

CHAPTER5:ケアレスミス、物忘れが多い

CHAPTER6:集中力がない

CHAPTER7:整理、片付けができない

CHAPTER8:コミュニケーションが苦手

CHAPTER9:メンタルが弱い

CHAPTER10:メモ、メールが苦手

各項目にそれぞれノウハウが複数紹介されており、全て1~2ページで完結しているため、知りたいと思った箇所をすぐに読んで学ぶことができます。

ただ、最初は必ずCHAPTER1を読んでください。

なぜなら、このCHAPTER1に出てくる「手順書を作る」ことが、紹介されているノウハウの前提となっているからです。

初めてなのかルーティンなのか、単純なのか複雑なのか、営業なのか事務なのか…

仕事の種類は千差万別ですが、この本では、「どんな仕事でも手順書を作る」ことを基本としています。

仕事が始めると頭の中が「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」で埋め尽くされ、脳がパンクしそうな経験、誰しもがあると思います。(私はしょっちゅうです…)

手順書を作っておけば、脳のパンクを避け落ち着いて仕事ができるようになります。

手順書の大まかな作り方は、以下の通りです。

1.名前をつけて書き出す
・やらなきゃいけないこと(タスク)を書き出して言語化する

2.タスクの手順を書く
・完了までの手順を書き出す
・はじめは仮の手順でも十分、違ったらその都度修正。

3.「誰がやるべきなのか」を明確にする
 ・自分が進める段階なのか、誰かが進める段階なのかをはっきりさせる

4.タスクと手順に、仮の締め切りを入れる
 ・手順ひとつひとつに締め切りを設ける

5.最初の手順だけに注目する
 ・並んだ手順を眺めると目があちこちに泳いでしまうので、最初の手順だけが目に入るようにする

仕事が上手くいかないと感じた時は、手順書を書くことに立ち返ると良いそうです。

印象に残った箇所

ここからは、個人的に印象に残った箇所をピックアップしていきます。

終わらせたいのに、始められない

やらなくちゃいけないのに、やればスッキリするのになぜか先送りしてしまう…

私の会社員人生で常につきまとってきた、永遠の課題です。

おそらく、頭の中でシミュレーションしすぎて「終わらせなくちゃ」という思いや、「これ苦手だし、少し面倒かな」という面倒くさい気持ちが強くなりすぎるんだと思っています。

この「終わらせなくちゃ」という思いを消し去るには、目の前にある手順書の一番はじめに集中するのが効果的だそうです。

仕事を終わらせるのは難しいかもしれない。

でも、仕事の一部は始められるかもしれない。

そんな気持ちに持っていくのが大事とのこと。

進捗は遅いかもしれませんが、手を動かせば着実に仕事は進んでいきます。

何より、動き出せないでいるよりはよっぽど早く終わります。

私もまずは、考えすぎずに一番最初の作業に集中してみようと思います。

ミスが多くて落ち込む

私はADHD傾向があるため、幼い頃からケアレスミスが非常に多いです。

小学生の頃は、テストの点数は安定して高いもののケアレスミスが多く、意外と100点が取れないタイプでした。

年をとって社会人になってもその傾向が治ることはなく、ケアレスミスをしては落ち込むということが日常茶飯事です。

著者の小鳥遊さんは、自身の経験を踏まえて、「ミスこそが最大の手順書を作る」としています。

ミスをしたらミスを防ぐ手順を追加し、手順書をより完璧なものにしていくというのです。

これならミスの回数も減っていきますし、ミスする→手順を追加する流れができれば、落ち込んでいる暇などありませんね。

言われたことを勘違いしてしまう

指示された内容通りやったつもりでも齟齬が生まれてしまうってこと、あると思います。

この問題を解決するには、「曖昧な表現を使わない、具体的な表現に変換する」のが効果的です。

曖昧な表現とは、「これ」「それ」「あれ」「どれ」といった、人によって捉え方や対象が変わってくるものです。(「こそあど言葉」とも言いますね)

もし曖昧な表現で指示を受けたら、具体的な言葉に変換して相手に確認をするのが良いそうです。

もちろん、自分が話す際に曖昧な表現を使わないことも大事です。

人前で怒られると、プライドが傷つく

人前で怒られることが得意!なんて人はそうそういないと思いますが、

「恥ずかしいけど、実際迷惑かけているしな…」

と受け入れてしまう人は一定数いるかもしれません。

内向型やHSPの人はあらゆる物事を受け止めてしまう傾向がありますし、私自身も受け入れた経験は結構あります。

小鳥遊さんは、人前で 怒ってしまう人の心情は以下の2パターンだと述べています。

①「本人のためを思って」という正義感が、人目を憚ることを忘れさせてしまう

②他の人への見せしめ。その場や集団をコントロールしたいという潜在意識

どちらの場合も、「謝罪と対策のセット」で乗り切るのがオススメだそうです。

「まず謝る→今後の対策を伝える」のコンボで、相手の心情が「少し言いすぎたかな」と変化するかもしれません。

ただ、そもそも改善点は個別に伝えれば十分であり、人前で怒ることは、正当化してはいけないものです。

よっぽどひどければ上司よりさらに上の立場の人など、第三者へ相談するのが良いと思います。

終わりに:要領の良さは生まれつきではない!

私はお世辞にも要領が良くないので、要領よく仕事ができる人を見て「羨ましいな」「自分には到底できないな」と思うことが多々ありました。

しかし、この本を読んで、「要領の良さは生まれつきではなく、仕組みづくりだったんだ」と気づくことができました。

紹介されているノウハウはやさしい表現で書かれており、取り組みやすい内容ばかりですので、気になった方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

それではまた。